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ベトナムの星

vietnamnam.exblog.jp

テト明けなのに 教師編

子ども達とは対極で先生方は今月行われる教師のコンクール(模擬授業で授業力を競う)と、学校対抗のバドミントン大会に向けて準備がどんどん進んでいます。
今年はすごい!

一方で私は活動の締めくくりに取り組もうと、校長へ報告書について進言。
すると、なぜか教員研修の時間に私が話す時間を設けられることに。今までの活動で初!
しかもいわれたのが当日!またぁ、やっぱベトナム。

準備に時間が取れるわけでもなく。
しかしその前にまず
「今私が一番ニンソンの先生達に伝えたいことって?」と考えると…?むむむ。

私をはじめ小学校教諭がベトナムに派遣された理由のほとんどは
「情操教育の質の向上」。
ベトナムのカリキュラムに沿って授業の質の向上を…と書かれています。

そういう一方でベトナムのカリキュラムにはかなり制限があり、指導書には全授業の
ほとんどが教師が何をどうするかということは決められています。
正直これだけ内容がびっしり決まっていては、特に体育では授業方法の改善どうこうではなく、ただこなすだけで時間が終わってしまいます。

そして音楽・図工・体育は専科の教師がすることが多い。
今年はニンソン小も全て専科教師が教えています。
専科の先生は授業がない時間は学校にいないのが通常。
そして担任教師は教えない=担任教師はその時間の授業に興味なし。

さらには、先に書いた教師コンクール、-ベトナム語と算数の授業をするそうですが―
これで教師の評価が決まってしまうくらい先生達には大事なもの。
その評価は決して新しい教育方法を奨励しているのではなく、ベトナム旧来の授業スタイルがどのくらいちゃんとできるのか、ということが問われているようで。
以前、バクザンに教育プロジェクトが入っていた時に、しっかりと学んだ先生がこのコンクールでかなり悪い評価を受けて落ち込んだという話も聞きました。

つまり現段階で、ベトナムでは
①新しいことに取り組んでも先生達はよい評価を受けない
②頑張って授業力を磨いているのは主教科がほとんど
 →音楽・体育・図工は二の次状態。

という実態。②は急成長の経済発展の時期と考えると、日本も同様でしたよね!?
社会の習熟度っていうのも教育の方向性を決める要因の1つのように感じています。

そんななか、先生方に働きかけても響かない。
研修って、受けている人々のニーズに即していないと、何の意味もないわけで。
やりっ放しと分かっているのにやるなんて絶対いやだー!

現場の先生達に情操教育に関心をもってもらうには現状では上からのお達ししかない!
のは百も承知。
そして先生達が悪いところなんて特にありません。
みんな与えられたものを必死にやっているだけなんですよね。

ということで、私が準備したのは、兼ねてから温めていた自分で考えて書いた
「情操教育がなぜ大事なのか」をベトナム語にした(昔先生に添削してもらった)文章。
加えて、
そもそもなぜニンソン小にJOCVが来ているのか、JICAの意図。
どんな気持ちで私が授業をしてきたのか。
でも先生達はカリキュラムが絶対なので、新しい運動を紹介しても取り入れてもらえないことは承知していること。

を言葉で伝えました。伝わったかなぁ?

そして、発展めざましいベトナム。
社会が変わると、きっと教育も変わる時が来るでしょう。
この先、もっと先生達に自主性を持たせた授業を求める時代がベトナムにも来るなら・・・
その時に前任者さんや私を思い出してほしい。
今、私がいる間にいつでも授業に来て子どもと一緒に活動してください!とも言いました。

今まであまりに先生達に向けて働きかけられなかった分、時間が足りなくなって急にこんなことを言ってもなぁ?とも思いつつ。
でもこの思いだけは伝えておきたかった!から仕方がない。

文章を印刷して紙にして配ったので、普段のよく分からないしゃべりだけで終わるよりかは随分マシじゃなかっただろうかと。
外国人の書いたベトナム語をまじまじと見つめる先生有。

この時間がどうみんなに影響するのか???不安と期待でドキドキです。
by etoetoetou | 2009-02-10 16:42